【徹底分析】世界一のAI関連銘柄、エヌビディア(NVIDIA)株の買い時はいつ?

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ロビン蜂須賀

学生時代に友人から投資について知り、独学で株を始める。
その後、AIによる分析を駆使しながら、FX、ビットコイン、不動産投資などの数々の金融商品を売買。
テック系、特にAI関連銘柄を得意分野とするトッププロトレーダー。

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NVIDIA(エヌビディア)とは?

エヌビディア(NVIDIA)は、アメリカの半導体メーカーで、特にGPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)の開発で世界的に有名な企業です。

1993年に設立され、主にゲーム向けのグラフィックボードを提供してきましたが、近年ではAI(人工知能)やデータセンター自動運転などの分野で大きく成長しています。

(1)エヌビディアの主な事業領域

エヌビディアは以下のような分野で活躍しています。

事業領域主な製品・サービス
ゲーミングGeForceシリーズ(ゲーム用GPU)
データセンターH100/A100(AI・クラウド向けGPU)
AI・機械学習CUDAプラットフォーム
自動運転NVIDIA DRIVE(自動運転技術)
メタバースOmniverse(仮想世界構築ツール)

エヌビディアのGPUは、AIの学習やデータセンターでの高速処理に不可欠な存在です。特に生成AI(ChatGPTなど)の台頭により、エヌビディアのチップ需要は急増しています。

(2)エヌビディアの強み

エヌビディアが他の半導体メーカーと比べて優れている点は以下の通りです。

  1. 圧倒的な市場シェア
    • データセンター向けGPU市場で約80%以上のシェアを持つ。
    • ゲーミング向けGPUでもトップクラスの売上。
  2. AI分野でのリーダーシップ
    • AI研究の多くがエヌビディアのCUDAをベースに開発されている。
    • AI処理の最適化が進み、GoogleやMicrosoftもエヌビディアのGPUを採用。
  3. 継続的な技術革新
    • GPUだけでなく、自動運転技術やメタバースにも進出。
    • スーパーコンピューター分野でもシェアを拡大中。

(3)近年の成長

エヌビディアの成長は目覚ましく、2023年の売上は前年比+126%と急増しました。特にAI市場の拡大に伴い、データセンター向けGPUの需要が爆発的に伸びています。企業の成長性が高いため、長期投資家にとって魅力的な銘柄と言えるでしょう。

NVIDIA株を買うなら長期投資がおすすめ!

結論から言いますと、NVIDIA株を買うなら長期投資がおすすめです。

長期投資をおすすめする理由は以下の3点です。

  1. 成長が続いている企業
    • AI、データセンター、ゲーム向けの市場で世界トップクラス。
    • 直近3年間の売上は約2倍に増加。
  2. 配当は少ないが、株価の上昇が大きい
    • 2020年から2023年の間に株価は約6倍に上昇。
    • 過去のデータを見ると、下落しても数年で回復する傾向。
  3. 競争力の高い製品を持つ
    • AI市場ではエヌビディアのGPU(グラフィックボード)がほぼ独占。
    • 大手IT企業(Google、Microsoft、Amazonなど)がエヌビディアの技術を利用。

NVIDIA株のファンダメンタル分析

業績推移(直近3年間)

エヌビディアの業績は過去3年間で大きく変動しています。

まず売上高の推移を見ると、2021年度(FY2022)は約269億ドル(前年比+61%)、2022年度(FY2023)は約270億ドル(同+0.2%と横ばい)、そして2023年度(FY2024)には約609億ドル(同+126%)と急拡大しました​。特に直近の2023年度は過去最高の売上を記録しています​。

利益面でも、2023年度のGAAP純利益は約297億ドルに達し(希薄化後EPS $11.93、前年比+586%)​、エヌビディアの収益力が飛躍的に向上しました。

一方、2022年度は仮想通貨需要の低迷や在庫調整の影響で純利益が落ち込み(EPSは$1台に低下)、ROE(自己資本利益率)も一時18%台まで低下しました​。

しかし最新年度ではROEが約93%に達しており​、資本に対する利益効率が再び非常に高い水準となっています。このように、エヌビディアの業績は一時的な調整を挟みつつも長期的には強い成長トレンドを維持しています。

年度売上(億ドル)純利益(億ドル)売上成長率
202126997+61%
202227042+0.2%
2023609297+126%
  • 2021年は仮想通貨ブームの影響で売上が急増。
  • 2022年は市場の低迷で成長が鈍化。
  • 2023年はAIブームの影響で売上が2倍に。

事業セグメントの成長性(AI、データセンター、自動運転、ゲーミング)

エヌビディアの事業構成を見ると、近年 データセンター向け事業(AI関連) が売上の大半を占めるまでに急成長しています。2023年度には、データセンター向け製品が全売上の約78%を占め、2年前の39%から倍増しました​。

クラウドやAIモデルの学習・推論に不可欠なGPU需要が爆発しており、2023年末の四半期ではデータセンター部門の売上が前年比+409%という驚異的な伸びを示しました​。

生成AIブームにより、エヌビディアの最新GPU(H100など)は世界的に品薄となり、主要テック企業がこぞって調達に走っています​。例えばMeta(Facebook)は2024年にH100を35万個も使用する計画と報じられており、この分野の将来性がいかに大きいかが分かります。

一方、ゲーミング向けGPU事業(PC向けグラフィックス)は従来エヌビディアの主力でしたが、売上構成比は2023年度に17%程度まで低下しました​。

パンデミック期の特需で2021年頃に大きく伸びましたが、2022年には仮想通貨マイニング需要の急減や在庫過多もあり一服しました。

それでもゲーミング市場自体は堅調で、最新のRTXシリーズGPUなど高性能製品で依然として高い市場シェアを持っています。またPCゲーム以外にも、クリエイター向けやメタバース関連のグラフィックス需要など裾野は広く、安定したキャッシュカウと言えます。

自動運転(オートモーティブ)分野にも注目です。エヌビディアは自動運転車向けの「NVIDIA DRIVE」プラットフォームを展開しており、Tesla以外の多くのメーカーと提携しています。ただ現状の売上比率は2%未満(2023年度)と小さいですが​、将来の成長余地があります。

高度運転支援システム(ADAS)やロボタクシーの実用化が進めば、このセグメントが次の成長ドライバーとなる可能性も秘めています。

総じて、エヌビディアはデータセンター/AIで圧倒的な成長を遂げつつ、ゲーミングで収益基盤を維持し、将来の自動運転やメタバースといった新領域にも種を撒いている状況です。このバランスと先見性が、長期的な事業成長の裏付けとなっています。

半導体業界の動向とエヌビディアの立ち位置

半導体業界全体を見渡すと、需要の盛衰による周期的な変動(シクリカル)があります。実際この業界では過去34年間に9回も成長から縮小への反転が起きており​、エヌビディアも例外ではありません。

2020~2021年は在宅需要やAI需要で史上空前の好況に沸きましたが、2022年はPC・スマホ需要の反落や在庫調整で業界全体が落ち込みました。

しかし2023年以降はAIやクラウド向けを中心に再び追い風が吹いています。調査会社IDCによれば、AI対応の高性能チップ需要により2025年の世界半導体市場は+15%の成長が予想されています​。

またKPMGの業界見通しでも、半導体企業にとってAIが収益を牽引する最重要アプリケーションとなり、自動車分野を追い抜いたとされています​。

このように、今後の半導体業界はAI・データセンター関連が鍵を握る構造へとシフトしています。

こうした環境下で、エヌビディアの立ち位置は極めて有利です。AI用途のデータセンターGPU市場で同社は約98%という圧倒的シェアを持ち​事実上“一強”状態です。

他社が容易に追いつけないソフトウェア基盤(CUDAエコシステム)と開発者コミュニティを築いており、参入障壁の高さも際立ちます。その一方でリスク要因もいくつか存在します。

例えば、米中摩擦によるハイエンドGPUの輸出規制は、中国市場からの需要に影響を与える可能性があります。また、半導体不足やサプライチェーンの課題(エヌビディアは自社工場を持たずTSMC等に生産を委託しているため、生産能力や供給遅延のリスクがあります)も注意点です。

しかし総合的には、業界の成長トレンドに合致した分野で独壇場の地位を築くエヌビディアは、ファンダメンタルズ面から見ても長期投資に値する強固な基盤を有していると言えるでしょう。

NVIDIA株のテクニカル分析

エヌビディア株のテクニカル指標も、強いトレンドを示すものが多く見られます。

まず移動平均線では、短期の50日移動平均線は概ね上向きを保ち、中長期の200日移動平均線も2023年以降上昇に転じました。2022年後半に50日線が200日線を下から上に突き抜けるゴールデンクロスが出現し、その後は株価が200日線を明確に上回って推移する強気相場が続きました。

ただし株価が50日線から乖離し過ぎる局面では一時的な調整が入る傾向もあり、実際2023年夏には急騰後に数週間の揉み合いで移動平均線との距離を縮める動きが見られました。

RSI(相対力指数)からは過熱感と底値圏を測ることができます。2023年の急騰局面ではRSIが一時80近くまで達し「買われ過ぎ」を示しました。この際には短期的な利食い売りで株価が一服し、その後RSIは中立水準の50台まで低下しています。

一方、2022年10月の安値ではRSIが30を下回り「売られ過ぎ」シグナルとなりました​。このタイミングが結果的に絶好の買い場となったことからも、RSIが極端な水準にある際は逆張りのヒントとして注目できます。

MACD(移動平均収束拡散指数)もトレンド転換を捉えていました。2022年末にMACDラインがシグナルラインを上抜けて強い買いシグナルを点灯、その後MACDヒストグラムは2023年を通じてプラス圏を維持し、上昇モメンタムの強さを裏付けました。

特に2023年5月以降はMACDラインがゼロラインを大きく上放れて推移し、力強い上昇トレンドが継続していることを示唆しました。ただし2025年初め頃にはMACDヒストグラムが縮小傾向となり、モメンタムのピークアウトを示す兆候も出ています。今後MACDラインがデッドクロスするようだと、中期的な調整局面に入る可能性もあるため注意が必要です。

総じて、テクニカル面では長期上昇トレンドの中の短期調整といった動きが見てとれます。移動平均線やトレンドラインは上向きである一方、RSIやMACDの変化は過熱感や一服感を教えてくれます。長期投資家であっても、こうしたテクニカル指標を参考に押し目(調整局面)を狙ってエントリーすることで、より有利な買いタイミングを図ることができるでしょう。

競合企業(AMD・インテル)との比較

エヌビディアを語る上で、同じ半導体業界の競合であるAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)やインテルとの比較は欠かせません。

まず企業規模としての売上高を見ると、最新年度のエヌビディアの売上 $609億(約8兆円)は、AMDの約$227億(2023年、前年比-3.9%)​やインテルの約$542億(2023年、前年比-14%)​を上回っています。

とりわけエヌビディアは直近1年で売上を倍増させたのに対し、インテルとAMDはPC需要低迷の影響で減収となっており、成長性で明暗が分かれた形です。

また収益性の面でも差は歴然としています。エヌビディアの純利益率(Net Margin)は直近で約56%と非常に高く​、半導体業界でもトップクラスです。

一方、AMDの2023年純利益は約$8.5億と利益率約4%に留まり​、インテルに至っては純利益$17億(利益率約3%)と大幅減益でした​。このように収益規模・利益率ともにエヌビディアが競合を大きく引き離している状況です。

マーケットシェアの比較では、エヌビディアは先述の通りGPU分野で約8割のシェアを持ち圧倒しています​。特にデータセンター向けAI用GPUでは約98%とほぼ独占状態で、AMDやインテルを寄せ付けないことが調査でも示されています​。

AMDはゲーミング用途などのディスクリートGPU市場でシェア約20%前後を持つものの、AIやデータセンター向けではごく限定的です。

インテルは長年CPU市場では圧倒的首位でしたが、GPU単体では統合グラフィックス以外の存在感はまだ小さく、AIアクセラレーター(例えば自社開発のGaudiチップなど)もこれからといった段階です。

ただしインテルは依然としてPCやサーバー向けCPU市場で約7割超のシェアを持つ巨大企業であり、データセンター全体のシリコン需要に占める割合では一定の地位があります​。しかしその牙城であったデータセンター向けも、AI投資の急拡大に伴い2023年には売上シェアでエヌビディアがインテルを逆転する事態となりました​。これは業界構造が大きく変化している証と言えます。

企業名売上(2023年)純利益(2023年)市場シェア(GPU)
NVIDIA609億ドル297億ドル約80%
AMD227億ドル8.5億ドル約20%
インテル542億ドル17億ドル約5%(独立GPU)
  • エヌビディアはGPU市場で圧倒的なシェア(約80%)。
  • AMDはコストパフォーマンスの良い製品を展開。
  • インテルはCPUが主力だが、GPU市場にも参入。

エヌビディア株の買い時は?

以上の分析を踏まえ、エヌビディア株の買い時について考えてみます。長期投資の視点からは、エヌビディアは卓越した成長性と競争優位を備えており、基本的には押し目であれば積極的に拾いたい銘柄です。

しかし同時に、株価変動が大きくバリュエーションの振れ幅も極端なため、「いつ買うか」のタイミングはリターンに大きな影響を与えます。

現在の市場環境を見ると、2023年の急騰を経て2025年初頭にかけて株価は一時期の過熱状態からやや調整しています(直近高値から約10~20%下落)​。

この調整によって短期的な割高感はいくらか解消され、中長期投資家にとってはエントリーしやすい水準に近づいてきたとも言えます。

実際、エヌビディア株の予想PERは利益急増を織り込んで30倍前後まで低下したとの見方もあり​、成長企業として許容範囲内との分析も出ています。ただし、依然として株価水準そのものは高く、期待値も大きいことから、油断は禁物です。長期投資とはいえど、「できるだけ安く仕込み、高くなりすぎたら少し距離を置く」姿勢は重要でしょう。

今後の投資戦略としては、まず押し目買いの徹底が挙げられます。エヌビディア株は過去にも大きな調整を何度か経験していますが、その都度安値で仕込んだ投資家は大きな利益を得てきました。

例えば2018年末の仮想通貨バブル崩壊時や2022年のハイテク株調整時が典型です。従って、今回も直近の高値圏から十分に調整したタイミング(例えば50日線・200日線近辺までの押しや、RSIが30台に沈むような局面)は絶好の買い場になり得ます。逆に急騰直後で明らかに過熱している場面では飛びつかず、調整を待つ忍耐が求められます。

併せてリスク管理も忘れてはいけません。エヌビディアは将来性が高い半面、一社に集中投資するとポートフォリオ全体のボラティリティが上がりすぎる恐れがあります。

長期投資であっても、資金を段階的に投じる「ドルコスト平均法」や、他のディフェンシブ銘柄と組み合わせてリスク分散する工夫が有効です。また、外部環境の変化(景気後退や金利上昇によるグロース株全体の調整、地政学リスクなど)にも注意を払い、必要に応じてポジションサイズを調整する柔軟性も持ち合わせたいところです。

結論として、エヌビディア株の長期的な成長ストーリーには非常に魅力があり、基本スタンスは「買い」で良いでしょう。ただし「いつ買うか」については焦らず、市場が悲観に傾いた局面で勇気を持って買うことがリターンを最大化する鍵となります。

現在は直近高値からの調整局面にあり、長期投資を始めるには検討しやすいタイミングと言えますが、更なる下押しも想定して資金を分割投入するなど計画的なエントリーが望ましいです。

そして一度投資した後は、短期的な株価ノイズに振り回されず、エヌビディアの技術革新と市場拡大を信じて腰を据えてホールドすることが、長期投資家にとって成功への近道と言えるでしょう。

(1)長期投資の戦略

  1. 押し目買い
    • 50日移動平均線(短期的な価格の目安)に近づいたときが買い時。
    • 過去の株価を見ると、急騰後には一時的な下落が発生する。
  2. 分割投資
    • 株価が高値圏にあるため、一度に買わずに分割して購入。
    • 例えば、3回に分けて購入することでリスクを分散できる。

(2)今後のリスク

  • AI市場の成長が鈍化する可能性(競合の参入)。
  • 米中の貿易摩擦(エヌビディアの一部製品が中国で規制対象)。
  • 株価の変動が大きい(2022年には株価が半減したことも)。

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まとめ

エヌビディアは長期投資に適した企業ですが、株価の変動が大きいため「押し目買い」や「分割投資」の戦略が重要です。競合と比べても成長性が高く、AI市場の拡大が追い風になっています。

今後もデータセンターや自動運転市場の拡大によって、長期的な成長が期待されるでしょう。

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